永住権とは、外国人が特定の国や地域に永続的に居住することを許可される権利のことを指します。香港の永住権を取得することで、就労ビザなど香港に長期滞在する際に必要なビザがなくても香港に無期限に滞在できるようになり、さまざまな社会的、経済的権利が与えられます。永住権を持つことによりスポンサーや就労の制限がなくなり、選挙権を得ることができたり、教育や医療などの公共サービスを利用する際に地元住民と同様の待遇を受けることができます。
香港の永住権を取得するための最も基本的な条件として挙げられるのは、申請者が連続して7年間、香港に合法的に居住していることです。これは就労ビザ、家族ビザ、学生ビザなど、適切なビザを保持して香港にこの期間滞在をしていることを意味します。不法滞在やビザの期限切れがあった場合、その期間は居住期間として認められません。ただし、居住期間中に申請者が休暇やビジネスなどで香港を一時的に離れた場合は、その期間が短期であり、香港を恒久的な住居地とする意図が明確である限り、居住期間としてカウントされます。また、香港で生まれた外国人同士の子どもも21歳未満であれば永住権やパーマネントIDカードを申請できますが、両親のうち1人が永住権を持っている場合に限ります。
香港政府は、7年間継続して合法的に居住していることに対する基本的な評価事項として、「申請者が香港に滞在していたかどうか(していない場合は理由と期間)」「香港での常時滞在先の有無(住所や宿泊記録)」「香港の会社に雇用されているかどうか」「家族の所在地(配偶者と子供)」の4つの項目を挙げています。7年間の滞在期間に適切に納税をしていたかも重要な条件の一つになります。7年間の納税記録は必ずしも提出する必要はありませんが、就労ビザで7年間滞在していた場合は、滞在を証明する書類として納税記録を提出するケースが多いです。申請者が重大な犯罪歴を持たないことも重要な条件です。香港の永住権を申請する際には、警察の発行する無犯罪証明書の提出が必要になります。
香港の永住権を申請するための手続きとして、まず香港イミグレーションのウェブサイトから永住権の申請書と宣誓書をダウンロードし、必要事項を記入します。この申請書には、個人情報、居住歴、職歴などの詳細を記入します。
次に、申請書と宣誓書とともに提出する必要書類を準備します。必要書類には、 有効なパスポートのコピー、ビザシールのコピー、香港IDカードのコピー、雇用証明書や給与明細、銀行残高証明書、居住証明書(電気・ガス・水道などの公共料金請求書)、無犯罪証明書などが含まれます。
準備が整ったら、申請書、宣誓書と必要書類を香港イミグレーションに提出します。提出は直接イミグレーションオフィスに持参するか郵送で行うことができます。
申請が受理されると、香港イミグレーションから通知が届きます。資料提出から約1週間ほどで通知が届きます。その後、約6週間の審査期間を経て「書類照合の案内」が郵送で届きます。香港イミグレーションで書類の照合を行い、問題がなければ永住権が許可され取得できます。
香港の永住権を取得することで、無期限の滞在、就労の自由、社会保障の利用など、生活の質を大幅に向上させることができます。永住権の取得には、居住期間、法的なステータス、経済的自立、犯罪歴の有無など、いくつかの条件を満たす必要がありますが、計画的に準備を進めることで取得可能です。香港での永住権取得を目指す方は、早めに準備を開始し、必要な手続きを順次進めていくことをおすすめします。